2026/06/27 15:49
こんにちは、KintalineLeatherの雪埜です!
先日SNS(ショート動画)でご紹介した、『お札を折らずにいれられるミドルトラッカーウォレット』。ありがたいことに、投稿初日から想像を超えるたくさんの方に見ていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
実はこのミドルトラッカー、最近生まれた新作ではなく、私たちが2年以上前から大切に作り続けている定番の形なんです。
動画の30秒という短い時間では、この財布に長年詰め込んできたマニアックなこだわりを1ミリも語りつくせなかったのでw、今回は使用している革や今にいたるまでの試行錯誤の裏話をじっくりと深堀りしていきたいと思います。
◆『不便なら、自分たちで作ればいいじゃない!』から始まった
トラッカーウォレットといえば、あの無骨で男らしい長財布のデザインが最高にカッコイイんですよね。 でも、いざお尻のポケットに入れたとき、頭がひょっこりはみ出てしまうのがどうしても気になってしまったんです。
「もっとスマートに持ち歩きたい」
そう思って、通常のトラッカーウォレットの型紙をそのままミドルサイズにリサイズして作ってみたんです。………が、ここで問題が発生しました。
└お札をいちいち折って収納しなければいけない
└コインポケットが小さくなって、中身が見づらく取り出しにくい
サイズは理想的になったけれど、財布としての使い心地がこれでは本末転倒です。「カッコいいけど使いにくい」というジレンマにぶつかりました。
そこで思ったんです。「不便だったら、自分たちで不便じゃないミドルサイズのトラッカーを作ったらいいじゃない!」
ここから私たち夫婦の挑戦が始まりました。
◆私たちの意地! デザインを崩さずに課題をクリアする
①お札を折らずに出し入れする『神スリット』
まず、一つ目の課題は『お札を折らない構造』
これに関しては、当工房のアイデアマン兵長から『フラップ(蓋部分)のかぶせ(裏面パーツ)に、深いスリットを入れたらお札を折らずに収納してスムーズに取り出せるんじゃないか?』という案が出されました。
早速試作を作ってみたところ……これが予想以上に出し入れしやすい!? なんなく最初の課題をクリアできました。
このお財布、私も普段家計のお金用に使用しています。
現金は20枚程度なら全然余裕で入ると思います。それ以上でも入るとは思いますがポケットの内部でお札が折れてしまったり、ホックを閉じるときに窮屈に感じてしまったり…お札の厚みでスリットの角が浮いてしまい、フラップを閉じたときにスリット部分が折れてしまう可能性があるので、20枚前後までで使って頂くのが一番おすすめです。
②トラッカーらしさを死守したい『コインポケット』
一番苦労したのが、コインポケットの構造です。
口を大きく開くためにL字ファスナーやラウンドファスナーにすれば簡単ですが、それだと『閉じたときに横から見た、トラッカー独特のあのスマートな段差デザイン』が失われてしまいます。
ファスナーは上部のみ、マチをつける案もでましたが、これも同じです。横からみた時にトラッカー独特の段差…というのがマチが見えることで少しスマートさが欠けてしまうので却下です。
悩んだ末にたどり着いたのが『ファスナーを側面の真ん中あたりまでつける』という案です。
これならマチを付けずにポケットの口を大きく開けて中を見やすくすることが出来ます。
長方形だった革パーツをくびれを付けた形にすることでファスナーの端を内部に隠すことが出来るので見た目もスッキリ!
横から見たときにトラッカー独特の段差を最小限の変化で守ることに成功しました。

▲▲左が当工房のミドルトラッカーウォレット。 右が従来のミドルトラッカーウォレット。の、段差です
実は最初に完成品として出したものと今作っているものでは、コインポケットの角の丸み(R)のゆるさをミリ単位で修正しています。 『言われてみれば…??』というレベルの違いですが、最初のものは開閉時に少し引っかかり感があったため、可愛くなりすぎない程度に丸みをほんの少しだけゆるくして、ノンストレスで開閉できるようにアップグレードしてあります!

◆見えないところにこそ、”変態的”なこだわりをww
さらにKintalineらしい変態的なこだわりも詰め込んでいますw
・ファスナー4㎜カット
閉じたときにポケットのシルエットがスマートに収まるように考えて、ファスナーを通常の貼り付けよりも深めに貼り付けています。 その際、角のカーブでファスナーテープ(布部分)がゴワつくのを防ぐため、あらかじめファスナーテープの幅を左右とも約4㎜ずつ手作業でカットして仕込んでいます。
・英字新聞調のピッグスエード
ファスナーのテープの端が中で丸見えになったままは美しくないので内貼りを施しています。 どうせ貼るならオシャレにしたいよね~ということで、英字新聞調のピッグスエードをチョイスしました。
・コバ(切断面)の美しさを守るための微調整
スエードを外装パーツと同じサイズでカットして使用貼り付け縫い付けてしまうと、外から見たときにコバにスエードの白色が入ってしまい、カッコよさが半減してしまいます。そのため、パーツの下半分(縫い付ける部分のみ)外装のパーツよりも2~3㎜小さいサイズで切り出し、外からは見えない…けど中でめくれてしまわないようにしています。
また、ファスナーを深くしている分、ピッグスエードがファスナーに干渉しないよう、縫えるけどファスナーに干渉しない程度に角のカーブをゆるくなるように微調整してあります。
◆コンパクトなのに抜群の収納力
・フロントポケット
カード1枚が理想です。(頑張れば2枚入りますが、コインポケットが少し開けづらくなります)
・隠しポケット
ここがなかなかに優秀です! 一般的なカードサイズよりも大きめに作ってあるため、ICカード程度の厚みのカードであれば5枚までは入ります。 少しきつくなっても良ければ6枚でも収納可能です。
◆ラインナップと価格のご案内
Kintalineのミドルトラッカーは、その時々で私たちが「これだ!」と惚れ込んだ様々な表情の革を使って仕立てています。
・通常モデル:28000円(税込)
(革本来の表情や、シンプルの極みを楽しみたい方向け)
・バスケット刻印モデル:30000円(税込)
(手作業で丁寧に立体的な刻印を打ち込んだ特別仕様です)

※定番型ですが、使用する革の組み合わせは一期一会です。現在ショップにある具体的なカラーや在庫状況については、ショップページをチェックしてみてくださいね!
追伸、カラーオーダーなどもお受けいたします。
『この革で作れる?』『こんな雰囲気の色がいいんだけど何かいい革ある?』『この革のこの色を使って欲しい!』など、お気軽にお問合せください!
※使用する革によってはお値段が上がってしまう可能性があります。その点も併せてお問合せいただければと思います。
長く相棒として愛用していただき、あなただけの最高の財布に育てていただけたら嬉しいです♪
